I.H.ロッテンブルグのトラヴェルソ

Flauto traverso
after Johannes Hyacinthus Rottenburgh (1672-1765, Brussels)
by Alain Weemaels, Grenadilla, A=415Hz
 
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もうひとつのロッテンブルグですが、こちらは父親の方のJohannes Hyacinthus Rottenburgh (Brussels, 1672-1765)のレプリカで、同じくブリュッセル在住の製作家Alain Weemaels氏の手によるもの。
この楽器は典型的なバロック期のトラヴェルソで、息子(Godfridus Adrianus Rottenburgh, 1703-1768)の楽器の女性的な柔らかい響きに対し、力強く、芯のある男性的な響きがします。 Weemaels氏曰く、「大きなコンサートホールでもオーケストラでも使える」ということですが、確かによく通る音で独奏に向いている楽器だと思います。
ちなみに、形状を見て頂くとヘッドジョイントが随分長いのがおわかりになると思いますが、これはバロック初期の3分割フルートの名残であるといわれています。(他に同時代のドイツの製作家アイヘントップフの楽器もちょうど同じ位のバランスです。)
Weemaels氏のこのモデルは、バルトルド・クイケンがバッハのフルートソナタ全集、ヘンデルソナタ集、テレマンのパリ四重奏曲全集などのレコーディングに使用しているほか、ヨーロッパの多くの演奏家がフランス・バロック、ドイツ・バロックを問わずレコーディングで使用しているもので、この時代の音楽についてオールマイティーな楽器と言えるでしょう。